HYROX(ハイロックス)、週5筋トレ民は有利?不利?
PPLをやってる人間が種目ごとに本気で分析してみた
最近、周りのトレーニー仲間から「HYROX出ない?」って声をかけられることが増えた。8月に幕張でやるらしい。正直最初は「ランニングとか全然やってないし無理では」と思っていたけど、調べれば調べるほど「あれ、筋トレ民って意外と有利かもしれない」という気がしてきた。 そこで今回は、普段PPLで週5〜6日ジムに通っている自分が、HYROXの8種目をガチで分析してみました。
そもそもHYROXって何
知らない人のために簡単に説明する。HYROXは2017年ドイツ生まれのフィットネスレースで、ルールは超シンプルだ。
「1kmのランニング → 1つのワークアウト」を8セット繰り返す。これだけ。合計8kmのランニング+8種目のワークアウトをこなせれば完走。
完走率99%超というのがポイントで、「強者のためのレース」ではなく「フィットネスに真剣な人なら誰でも完走できる」設計になっている。とはいえそれはレースの設計の話であって、「速く走れるか」はまた別の話だ。
8種目をPPL民目線で正直に評価する
HYROXの8種目は以下の通りで、順番も固定されている(前後に必ず1kmランが入る)。それぞれを「PPL民にとって有利か不利か」で評価した。
★評価はPPL民(ジムトレーニー)が種目の「筋力ベース的有利さ」をどれだけ活かせるか(5段階)
結論:強み4つ、弱点3つ
評価をまとめると、こうなる。
- スレッドプッシュ:脚の最大筋力が直結する
- スレッドプル:背中と握力がモノを言う
- ファーマーズキャリー:ほぼご褒美ステーション
- サンドバッグランジ:レッグデイの積み上げが活きる
- ウォールボール:スクワット動作に近い
- ローイング:コンパウンド動作に馴染みがある
- 8kmのランニング:体重が重いほど有酸素が辛い
- バーピーブロードジャンプ:体重×爆発力の消耗が激しい
- スキーエルゴ:心肺持久力は筋力と別物
- 高い心拍状態での動作:筋肉が増えた分、酸素消費量が増える
比較として、ランナーがHYROXに出た場合の強み・弱点も見ておこう。
| 項目 | ランナー | 筋トレ民(PPL) |
|---|---|---|
| 8kmランニング | ◎ 得意 | △ 追加が必要 |
| スレッドプッシュ・プル | △ 苦手 | ◎ 得意 |
| ファーマーズキャリー | △ 苦手 | ◎ 得意 |
| サンドバッグランジ | ○ まあまあ | ◎ 得意 |
| バーピーブロードジャンプ | ◎ 軽くて楽 | △ 体重が重いと辛い |
| ローイング・スキーエルゴ | ○ 心肺はある | ○ 筋力はある |
| 走った後の種目こなし | ◎ 慣れている | △ ブリックトレーニング要 |
こうして見ると、どちらも「強みがある種目とそうでない種目がある」という状況で、「片方の能力だけあっても詰まる場所がある」という設計になっている。これがHYROXの面白いところだ。
PPL民がHYROXに向けて追加すべきトレーニング
筋力ベースはすでにある。だから「足りていないものを追加するだけ」で良いという発想が一番効率的だ。筋トレを辞める必要はまったくない。
- ランニング有酸素ベースの構築(最重要) 週2〜3回、5〜8kmを「会話ができる程度のゆっくりペース」で走る。これがゾーン2トレーニングと呼ばれる低強度有酸素で、心肺能力の底上げになる。最初は「遅すぎて恥ずかしい」ペースでいい。目安は6:30〜7:30/km。3ヶ月続けると別人みたいに楽になる。
- バーピーブロードジャンプの練習 週1〜2回、バーピーを20〜40回程度入れる。フォームより「体を慣らす」ことが目的。最初はとにかくキツいが、慣れると心拍の上がり方が落ち着いてくる。ここをサボるとレース本番で詰む。
- 「走った直後に種目をやる」ブリックトレーニング 1km走ってすぐにゴブレットスクワット30回、また走ってローイング2分、という組み合わせを練習する。「心拍が高い状態で筋力を出す」感覚が本番と別物なので、これを事前に体験しておかないと必ずパニックになる。週1回でも取り入れると感覚が全然変わる。
- スキーエルゴの感覚慣れ SkiErgはジムにある施設が限られるが、使えるなら月1〜2回でいいので1,000mを通しでやってみること。動きの感覚がつかめていないと本番で無駄な力を使う。なければ代替としてラットプルダウンを高レップ(20〜25回)でやるだけでも下地になる。
- ペース管理の練習(オーバーペースを防ぐ) PPL民がやりがちなのが「最初の1kmで飛ばしすぎて後半沈む」パターン。目標タイム1時間40分なら1kmあたり6:00〜6:30ペース。これを最初から最後まで維持する練習が必要。心拍数140前後を目安に抑えるのが理想。
幕張大会(2026年8月7〜9日)に向けての現実的な準備期間
AirAsia HYROX MAKUHARI
日程:2026年8月7日(金)〜9日(日)
会場:幕張メッセ(千葉)
カテゴリーは参加形式(Single / Doubles / Relay / Adaptive)とワークアウト重量(Open / Pro)で分かれている。初参加ならOpenカテゴリーのシングルがスタンダード。Doublesは2人で種目を分担する形式で、ランは一緒に走る。
7月末時点で「記事を読んで興味が湧いた」という段階なら、8月大会は完走を目標にするなら十分間に合う。ただし速いタイムを狙うなら厳しい。
完走目標(目安:1時間45分〜2時間)なら、以下の1ヶ月でできることをやるだけで十分だと思う。
- 週2回の5〜8kmジョグを今すぐ開始する
- 週1回バーピーを30〜50回やる(分割OK)
- レッグデイにファーマーズキャリー(24kg×200m)を追加する
- ウォールボール相当の動きをゴブレットスクワット+オーバーヘッドプレスで代替練習する
実際に出るかどうか迷っている自分の話
調べるまでは「ランニング民のスポーツでしょ」くらいの認識だったけど、8種目を見ていったら思ったより「筋トレの積み上げが活きる場所」が多かった。特にスレッドプッシュとファーマーズキャリーは、毎週スクワットとデッドリフトをやってきた自分にとって「やっと報われる」種目な気がしてくる。
一方でバーピーブロードジャンプと8kmのランニングは素直に怖い。体重が増えた分、走るのが重くなるのは体感でも分かっているから。
ただ、「完走タイム1時間35分が平均」というのを聞いて、「1時間45分〜2時間でいいなら何とかなるかも」と思い始めている。1ヶ月間ランを積み上げて、幕張に出てみようかと割と真剣に考えている。結果はまた記事にします。
- HYROXは1kmラン×8本+8種目のワークアウトで構成されるフィットネスレース。完走率99%超で誰でも完走できる
- PPL民はスレッドプッシュ・スレッドプル・ファーマーズキャリー・サンドバッグランジで筋力ベースが有利
- 弱点は「8kmのランニング」と「バーピーブロードジャンプ」。体重が重いほど有酸素が辛い
- 追加すべきは有酸素ベース(ゾーン2ジョグ)・バーピー慣れ・ブリックトレーニング(走った直後に種目)の3つ
- 筋トレをやめる必要はなく、「足りない部分を追加する」だけでHYROXには対応できる
- 完走目標なら1ヶ月の準備でも十分。次回日本大会は2026年8月7〜9日 幕張メッセ
