映画「ハリー・ポッター」のオーディション秘話を徹底解説!

目次

■ 彼らはどうやって選ばれた?

読者

ハリー・ポッターの映画って、キャストが完璧だったよね?

筆者

そうですね。特に主要3人は、原作のイメージにぴったりでした。

読者

でも、どうやって彼らを見つけたんだろう? 何千人もの子どもの中から…

筆者

それが、なかなか面白い話なんです。

映画『ハリー・ポッターと賢者の石』は、2001年に公開されました。それから20年以上経った今でも、ダニエル・ラドクリフ、エマ・ワトソン、ルパート・グリントが演じたハリー、ハーマイオニー、ロンの3人は、まさに「ハリー・ポッターの顔」として記憶されています。しかし、当時の彼らは無名の子役でした。

そんな3人がどのようにして選ばれたのか、そのキャスティングの舞台裏を掘り下げてみましょう。


■ ハリー・ポッター役:ダニエル・ラドクリフ

映画化が決定した後、制作陣は「ハリー・ポッター役」を探すために大規模なオーディションを開催しました。イギリス全土の子どもたちを対象にし、最終的には5,000人以上が候補に挙がったと言われています。

しかし、誰を選んでも「これだ!」という決め手がなく、キャスティングは難航します。

ハリー・ポッターはただの少年ではなく、勇敢で、ちょっと内気で、それでいてカリスマ性もあるという複雑なキャラクター。そのバランスを持つ子役がなかなか見つからなかったのです。

そんな中、ワーナー・ブラザースのプロデューサー、デヴィッド・ハイマンがロンドンの劇場である少年を見かけます。それが、当時11歳だったダニエル・ラドクリフでした。彼はすでにBBCのドラマに出演したことがありましたが、決して有名な子役ではありませんでした。

子役時のダニエルラドクリフ

ハイマンは「彼こそハリー・ポッターではないか?」と直感し、オーディションを受けるよう勧めます。

しかし、ダニエルの両親は難色を示しました。「普通の子ども時代を送らせたい」という理由で、大きな映画に出演することを避けたかったのです。

読者

親が反対してたんだ

筆者

そうなんです。でも、ワーナー・ブラザース側が熱心に説得したんです。

最終的に、ダニエルはオーディションを受けることに。

監督のクリス・コロンバスが彼のスクリーンテストを見た瞬間、「彼しかいない!」と確信しました。こうして、ダニエル・ラドクリフはハリー・ポッター役に決定したのです。


■ ハーマイオニー・グレンジャー役:エマ・ワトソン

ハーマイオニー役のキャスティングは、ハリーほど難航しませんでした。当時9歳だったエマ・ワトソンは、すでに演技に興味を持っており、学校の演劇などに参加していました。

彼女は原作のファンでもあり、オーディションでは台詞を完璧に覚えて挑戦しました。彼女の堂々とした態度、知的な話し方、強い意志を感じさせる目の輝きに、監督はすぐに「彼女しかいない」と確信。

筆者

実際、オーディションでのエマは、原作のハーマイオニーとそっくりだったそうです。

ただ、当時のエマはとても自信家で、オーディションの結果を聞いた時も「当然でしょ?」というようなリアクションだったとか。しかし、撮影が始まると、自分の演技に悩んで涙を流すこともあったと言います。

子役時のエマワトソン

■ ロン・ウィーズリー役:ルパート・グリント

ロン・ウィーズリー役には、当時11歳だったルパート・グリントが選ばれました。彼のキャスティングエピソードは、他の2人とは少し違います。

彼は『ハリー・ポッター』の大ファンで、「絶対にロンを演じたい!」と思っていました。そこで、彼は自作のオーディションビデオを撮影し、制作陣に送ったのです。そのビデオでは、彼がロンらしいユーモアたっぷりの自己紹介をしながら、「なぜ自分がロンにふさわしいのか」を語っていました。

オーディションでは、ルパートの素朴さとコメディセンスが際立ちました。特に、「ロンの驚いた顔」を即興で演じたとき、監督は「まさにこれだ!」と大笑いしながら決定したと言われています。

子役時のルパートグリント

■ 「大人のキャストも完璧すぎる!」

読者「ハリーたち3人のキャスティングが完璧だったのは分かったけど、大人たちもハマり役すぎない?」
筆者「確かに。ダンブルドアもスネイプも、彼ら以外考えられないですよね。」
読者「でも、最初からこのキャストで決まってたの?」
筆者「実は、いろいろな候補がいたんです。特にダンブルドア役は波乱がありました…。」

『ハリー・ポッター』シリーズの魅力は、主人公たちだけでなく、大人のキャラクターにも強烈な個性があることです。ダンブルドアの威厳と優しさ、スネイプの冷徹な表情の裏にある複雑な感情、マクゴナガルの厳格さとユーモア…。映画の成功には、彼らを演じる俳優たちの演技力が不可欠でした。

では、どのようにして彼らは選ばれたのか? そのキャスティング秘話を見ていきましょう。


■ アルバス・ダンブルドア役:リチャード・ハリス

ホグワーツの校長であり、ハリーにとって最大の導き手となるアルバス・ダンブルドア

彼を演じたのは、シリーズ前半ではリチャード・ハリス、後半ではマイケル・ガンボンでした。

実は、最初にダンブルドア役として候補に挙がったのは、あのショーン・コネリーでした。『007』シリーズで知られる名優ですが、彼は「魔法使いの役には興味がない」と断ったと言われています。

ショーンコネリー 映画.comより
読者

えっ、ショーン・コネリーのダンブルドア!? 全然イメージ違う!

筆者

ですよね。おそらく、彼のダンブルドアはもっと威厳が強すぎたかも。

最終的に選ばれたのは、リチャード・ハリス。彼は原作を読んでいなかったものの、孫が「絶対にやって!」と頼んだため、出演を決めました。

リチャードハリス 映画.comより

彼のダンブルドアは、穏やかで知的、まさに「偉大な魔法使い」の雰囲気を持っていました。しかし、2002年にリチャード・ハリスが急逝。そこで代役として選ばれたのがマイケル・ガンボンでした。

ガンボンのダンブルドアは、より感情的でエネルギッシュな演技が特徴。『炎のゴブレット』での「名前を入れたのか!?」のシーンは賛否両論でしたが、彼独自のダンブルドア像を作り上げました。


■ セブルス・スネイプ役:アラン・リックマン

スネイプといえば、アラン・リックマンの低く響く声、冷たく鋭い視線、そして最終的に明かされる深い愛情…。彼の演技は、スネイプそのものでした。

アランリックマン

しかし、最初の候補にはティム・ロス(『レザボア・ドッグス』や『インクレディブル・ハルク』で知られる俳優)がいました。ティム・ロスもカリスマ性のある俳優ですが、『プラネット・オブ・ザ・エイプス』への出演を優先し、スネイプ役を辞退しました。

ティムロス 映画.com
筆者

彼だともう少し攻撃的なスネイプになっていたかもしれませんね。

アラン・リックマンは、J.K.ローリング自らが推薦した俳優でした。

彼には、原作のファンにも明かされていなかった「スネイプの本当の背景」が監督から伝えられ、それを理解したうえで演じたと言われています。

映画の最終作を観た人なら分かるはずですが、スネイプはただの冷酷な教師ではなく、リリー・ポッターへの永遠の愛を持ち続けた悲劇のキャラクターでした。その奥深い演技ができたのは、アラン・リックマンだったからこそでしょう。


■ ミネルバ・マクゴナガル役:マギー・スミス

厳格でありながら、生徒たちを深く愛するホグワーツの教師、ミネルバ・マクゴナガル。彼女を演じたのは、名女優マギー・スミスでした。

マクゴナガルは、最初からマギー・スミスに決まっていたわけではなく、他にも候補がいたと言われています。しかし、J.K.ローリングが「マギー・スミスがやるべきだ」と強く推したため、彼女に決まりました。

マギースミス
読者

ローリングの推薦が多いな!

筆者

原作者がここまでこだわるのは珍しいですよね。それだけ彼女のビジョンが明確だったんでしょう。

実際、マギー・スミスの演技は「ミネルバ・マクゴナガルそのもの」でした。彼女の厳しさと愛情のバランスは見事で、『死の秘宝』の「ホグワーツを守るための戦い」のシーンでは、多くのファンが感動しました。

■ ルビウス・ハグリッド役:ロビー・コルトレーン

次に紹介するのは、ホグワーツの森番ルビウス・ハグリッドです。彼を演じたのはロビー・コルトレーンでしたが、実は彼はJ.K.ローリングの第一希望だったと言われています。

ローリングは「ハグリッドを演じられるのはロビー・コルトレーンしかいない」と公言しており、制作陣も彼を最初から強く推していました。彼の温かみのある演技と巨体が、ハグリッドのイメージにぴったりと合致していました。

筆者

ローリングの直感が大当たりでしたよね。

■ 「敵役もハマりすぎてない?」

『ハリー・ポッター』シリーズには、主人公側だけでなく、強烈なインパクトを残す敵キャラクターが多数登場します。

その中でも、ヴォルデモート、ドラコ・マルフォイ、ルシウス・マルフォイ、ベラトリックス・レストレンジ、といった個性的なキャラクターたちのキャスティング秘話を見ていきましょう。


■ ヴォルデモート役:レイフ・ファインズ

ハリー・ポッターの最大の敵であり、魔法界の恐怖そのものヴォルデモートを演じたのは、レイフ・ファインズでした。彼の演技は冷酷で不気味、その一方でカリスマ性も兼ね備えており、原作の「恐怖の象徴」として完璧でした。

レイフファインズ 映画.comより

しかし、最初に候補に挙がったのは、ジョン・マルコヴィッチだったと言われています。彼は独特の存在感を持つ俳優ですが、制作陣が求めていた「冷たい恐怖」よりも「知的な悪」に寄る可能性があったため、最終的にレイフ・ファインズに決まりました。

ジョンマルコビッチ 映画.comより
読者

ジョン・マルコヴィッチのヴォルデモート…ちょっと想像つかないな。

筆者

彼だと、もっと計算高い感じのヴィランになっていたかもしれませんね。

さらに面白いのは、レイフ・ファインズ自身が最初はヴォルデモート役を断っていたということです。

しかし、彼の姉(映画監督)が「あなた以外にこの役は無理」と説得し、出演を決意したと言われています。


■ ドラコ・マルフォイ役:トム・フェルトン

ドラコ・マルフォイは、ハリーのライバルとしてシリーズを通じて登場するキャラクターです。彼を演じたトム・フェルトンは、実は最初からドラコ役を狙っていたわけではありませんでした。

オーディションでは、ハリー・ポッター役やロン・ウィーズリー役としても試験を受けていたのです。しかし、最終的に「彼の意地悪な演技が光っていた」とされ、ドラコ役に決定しました。

読者

えっ、トム・フェルトンがハリー役のオーディション受けてたの!?

筆者

そうなんです。でも、結果的にドラコ役がピッタリでしたよね。

トム・フェルトンはシリーズが進むにつれて、単なる嫌なライバルから、闇の帝王に翻弄される悲劇的なキャラクターへと変化していきます。

その複雑な演技を見事にこなしたのは、まさに彼の実力でしょう。


■ ルシウス・マルフォイ役:ジェイソン・アイザックス

ルシウス・マルフォイは、マルフォイ家の当主であり、ヴォルデモートの忠実な部下として登場します。彼を演じたジェイソン・アイザックスは、元々『ハリー・ポッター』にあまり興味がなかったそうです。

しかし、オーディションを受けたところ、監督から「君のルシウスは完璧だ」と言われ、キャスティングが決まりました。彼は、冷酷で計算高い貴族の雰囲気を見事に演じ、視聴者に強烈な印象を残しました。

筆者

彼の威圧感と貴族的な品の良さが絶妙でしたね。

ジェイソンアイザック 映画.com

■ ベラトリックス・レストレンジ役:ヘレナ・ボナム=カーター

ベラトリックス・レストレンジは、ヴォルデモートに狂信的な忠誠を誓う死喰い人の一人で、シリーズの中でも最も危険な女性キャラクターの一人です。彼女を演じたのはヘレナ・ボナム=カーターでした。

しかし、最初にキャスティングされていたのは、ヘレン・マックロリーでした。彼女は『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の撮影直前に妊娠が発覚し、降板。その代役として選ばれたのがヘレナ・ボナム=カーターでした。

結果的に、彼女の狂気じみた演技は原作ファンからも大絶賛され、ベラトリックス役として完璧なキャスティングとなりました。

まとめ

こうして振り返ると、『ハリー・ポッター』シリーズは、原作の魅力だけでなく、俳優たちの圧倒的な演技と、制作陣のキャスティングの妙によって完成されたことが分かります。

もしハリー役が別の俳優だったら? スネイプをアラン・リックマンが演じていなかったら? きっと、私たちの知る『ハリー・ポッター』とは全く違うものになっていたでしょう。


原作が気になる方はこちら!


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この記事を書いた人

理系国立大学生のYuuKishiです!将来のためブログを通して、マーケティングやライティング技術を学んでいます。

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