ダイエットと聞いてまず思い浮かぶのは、「体重を減らすこと」や「ランニング、ウォーキング」といった有酸素運動ではないでしょうか?
また体重が同じなのに脂肪の付き方が違う人がいましたよね?
しかし、近年の研究やフィットネスのプロたちは口を揃えてこう言います。「ダイエット成功の鍵は、筋トレを取り入れて体脂肪率を改善すること!」と。
この記事では、有酸素運動ではなく筋トレを推奨する理由と、体脂肪率の重要性についてわかりやすく解説していきます。
痩せたい=体重を減らしたいは間違い!?
毎朝体重計に乗り、「昨日より500g減った!」と喜ぶ気持ちはわかりますが、体重の数字だけを追いかけるのは危険です。体重は、筋肉、脂肪、水分、骨などのすべてを合算した単なる数字。減った分が脂肪ではなく筋肉や水分だった場合、見た目や健康にはむしろ悪影響を及ぼす可能性があります。
特に、体重だけに着目したダイエットをしていると、リバウンドのリスクが高まります。体重計に出る数字が減っても、それが「脂肪」ではなく「筋肉」だったら、基礎代謝が落ち、脂肪燃焼が効率的に行えない体に近づいてしまうのです。
体脂肪率に注目しよう!数字だけでは語れない体の真実
体脂肪率とは、体重に対して体脂肪がどれくらいの割合を占めているかを示す数値です。ダイエット成功の指標としては、体重よりも体脂肪率を重視するべき理由があります。
体脂肪率がもたらす見た目の違い
たとえば、体重が60kgのAさんとBさんを比べるとします。
- Aさんの体脂肪率:30%
- Bさんの体脂肪率:20%
体重は同じでも、Bさんは筋肉量が多く、引き締まった体型に見えます。一方、Aさんは脂肪が多いため、ぽっちゃりとした印象を与えがちです。体脂肪率が適切だと、同じ体重でも見た目がスリムで健康的に見えるのです。
なぜ筋トレがダイエットに効果的なのか?
1. 筋肉量を増やして基礎代謝をアップ
筋肉は体の中でもエネルギー消費が高い部分です。筋肉量が増えることで基礎代謝が上がり、日常生活の中で消費するカロリーが増えます。たとえ座っているだけでも、筋肉が多い人は脂肪が多い人よりも多くのエネルギーを消費します。
2. 「アフターバーン効果」で運動後も脂肪燃焼が続く
筋トレには「アフターバーン効果(EPOC: Excess Post-exercise Oxygen Consumption)」という特徴があります。筋トレ後、体が筋肉を修復する過程で大量のエネルギーを使うため、運動後24〜48時間は代謝が通常よりも高い状態が続きます。一方、有酸素運動では運動中にカロリーを消費するだけで、運動後はほとんど消費がストップしてしまいます。
3. リバウンドしにくい体作りができる
筋トレで筋肉量を維持または増加させながら脂肪を落とすことで、基礎代謝が高まり、リバウンドしにくい体を作ることができます。有酸素運動だけに頼るダイエットは、脂肪とともに筋肉も減少させてしまうため、リバウンドのリスクが高くなります。
有酸素運動は本当にダイエットに適しているのか?
もちろん、有酸素運動には脂肪燃焼効果や心肺機能向上といったメリットがあります。しかし、「痩せる」ことを目的とするなら、筋トレに比べて効率が悪い点が目立ちます。
有酸素運動の落とし穴
- 運動中しかカロリーを消費しない 有酸素運動は、その場でのカロリー消費が主な目的で、運動が終わるとエネルギー消費も止まります。一方、筋トレでは運動後もエネルギー消費が続くため、長期的な効果が見込めます。
- 筋肉が減る可能性 特に極端な食事制限を伴う有酸素運動は、筋肉量を減らしてしまうリスクが高いです。筋肉が減れば基礎代謝が下がり、脂肪を燃焼しにくい体質になってしまいます。
- 見た目が「たるんだ体」になることも 有酸素運動だけに頼ると、脂肪が減る一方で筋肉が不足し、「引き締まった体」ではなく「痩せ細った体」になる可能性があります。
具体例で見る:体脂肪率改善の効果
例えば、以下の2人を見比べてみましょう。
- Cさん:体重65kg、体脂肪率28% → 25%
- Dさん:体重65kg、体脂肪率28%(変わらず)
Cさんは体重はほとんど変わらないものの、ウエストが-8cm、見た目がスリムになったという結果が!筋トレで筋肉量を増やし、体脂肪率を下げたことで、引き締まった体型を手に入れたのです。
筋トレダイエットの具体的な取り組み方
前半では、体脂肪率の重要性と筋トレが有酸素運動よりも効果的である理由を説明しました。後半では、筋トレを取り入れるための具体的なステップや成功事例を解説し、筋トレ初心者が陥りがちなポイントもカバーします。さあ、理想の体を目指して一歩踏み出しましょう!
1. 筋トレ初心者が最初にやるべきこと
筋トレと聞くと、「ジムに行かなきゃいけない」「難しそう」と感じる人もいるかもしれません。しかし、自宅でできる筋トレでも十分に効果があります。まずは以下のポイントを押さえましょう。
(1)フォームを重視しよう
間違ったフォームで筋トレを行うと、効果が半減するどころか、怪我の原因になることも。最初は軽い負荷や自重で正しい動きを習得することを優先しましょう。YouTubeやフィットネスアプリには、初心者向けの解説動画がたくさんあります。
(2)筋トレの頻度と時間を決める
初心者の場合、最初は週2〜3回、1回あたり30分程度の筋トレを目指しましょう。筋肉には修復のための休息が必要なので、毎日やる必要はありません。慣れてきたら頻度や時間を増やしていくと良いです。
(3)全身をバランスよく鍛える
特定の部位だけを集中的に鍛えると、筋肉バランスが崩れてしまいます。以下のような全身を網羅する種目を組み合わせると効果的です。
- スクワット(下半身、体幹)
- プッシュアップ(腕立て伏せ)(胸、腕、体幹)
- プランク(体幹、背筋)
- ダンベルロウ(背中、腕)
2. 筋トレと有酸素運動をどう組み合わせるべきか?
筋トレだけでなく、有酸素運動を適切に組み合わせることで、より効果的なダイエットが可能です。以下はおすすめのプランです。
筋トレをメインに、有酸素運動をサブに
筋トレを週3回、有酸素運動を週2回程度の割合で取り入れると、筋肉を維持しながら脂肪燃焼を促進できます。有酸素運動を行うタイミングとしては、筋トレの後がおすすめです。筋トレでエネルギーを消費した後、有酸素運動を行うことで脂肪がより効率的に燃焼されます。
HIIT(高強度インターバルトレーニング)の活用
短時間で脂肪燃焼効果を高めたい場合は、HIITが有効です。例えば、「20秒間全力で運動+10秒休憩」を8セット繰り返すだけで、心拍数を高め、脂肪燃焼が期待できます。
3. 筋トレダイエットを成功させるための食事法
ダイエットの成功はトレーニングだけでなく、食事管理が鍵となります。筋トレの効果を最大化するための食事法を以下に紹介します。
(1)タンパク質をしっかり摂る
筋肉を増やし、基礎代謝を高めるためには、タンパク質が欠かせません。以下のような高タンパク食品を積極的に取り入れましょう。
- 鶏むね肉、魚、大豆製品(豆腐、納豆)
- ギリシャヨーグルト
- 卵
一般的な目安として、1日に体重1kgあたり1.5g〜2gのタンパク質を摂ることを目指しましょう。
どのプロテインがいいかよく分からないという人はこちらをご覧ください!
(2)糖質も適度に摂取する
糖質を完全にカットするのはNGです。筋トレを効果的に行うためにはエネルギーが必要であり、そのエネルギー源となるのが糖質です。玄米やさつまいもなど、栄養価の高い炭水化物を選ぶと良いでしょう。
(3)脂質を避けすぎない
脂質はカロリーが高いですが、体にとって必要な栄養素でもあります。アボカド、ナッツ、オリーブオイルなど、良質な脂質を適量摂取することを心がけましょう。
4. 筋トレダイエットの成功事例
Aさんのケース(30代女性)
- 体重:60kg → 58kg(-2kg)
- 体脂肪率:30% → 25%(-5%)
最初は週3回の筋トレから始め、タンパク質中心の食事に切り替えました。体重の減少はわずかでしたが、ウエスト-8cm、太もも-3cmと見た目に大きな変化がありました。服のサイズが2つダウンし、「健康的で引き締まった体型になった」と周囲からも褒められるように。
5. 筋トレダイエットの注意点
(1)過度なトレーニングは逆効果
筋トレを頑張りすぎると、体が疲労し回復が追いつかなくなります。適度な休息を取り、筋肉をしっかり回復させることが重要です。
(2)モチベーションを保つ工夫
筋トレは効果が出るまで時間がかかるため、途中で挫折しがちです。モチベーションを保つために、以下の方法を試してみてください。
- トレーニング仲間を作る
- トレーニング記録をつける
- 小さな目標を設定する(例:ウエスト-3cm)
まとめ:筋トレで「本当に痩せる体」を作ろう!
ダイエット成功のカギは、体重よりも体脂肪率を意識し、筋トレを取り入れることです。有酸素運動では得られない筋肉量の増加や基礎代謝アップによって、リバウンドしにくい引き締まった体を手に入れることができます。