『ハリー・ポッター』シリーズの中でも、冷淡で高慢なキャラクターとして知られるドラコ・マルフォイ。しかし、この役を演じたトム・フェルトンが当初ハリー・ポッターやロン・ウィーズリーの役でオーディションを受けていたことはあまり知られていません。彼がどのようにしてドラコ役に選ばれ、役に挑んだのか、その舞台裏を掘り下げていきます。ファンが見逃せないキャスティング秘話と撮影現場でのエピソードをご紹介します。
原作が気になる方はこちら!
オーディションの驚きの経緯:フェルトンの無関心さが鍵に?
「ハリー・ポッター」シリーズのキャスティングが行われた当時、トム・フェルトンはすでにいくつかの映画で子役として活躍していました。しかし、彼がハリー・ポッター役としてオーディションに参加した際、驚くべきことに原作を読んだことがなく、物語の知識もほとんどなかったのです。他の子役たちが魔法の世界について熱心に語る中、彼は「グリンゴッツが楽しみ」と無表情で答えたのみ。監督のクリス・コロンバスはその冷静さを気に入り、フェルトンにドラコ役を試すように勧めました。この無関心で冷淡な態度が、結果的にドラコ・マルフォイというキャラクターの冷酷さに合致していたのです。
さらに、フェルトンはロン・ウィーズリー役のオーディションにも参加し、髪を赤く染めたこともあったといいます。しかし、結局はハリー役にはダニエル・ラドクリフ、ロン役にはルパート・グリントが選ばれ、フェルトンは「スリザリンのプリンス」としての道を歩むことになりました。
髪色の変更と役作り:プラチナブロンドの決意
ドラコ・マルフォイを演じるにあたって、トム・フェルトンは大きな決断を迫られました。それは、彼のトレードマークとも言えるプラチナブロンドの髪色への変更です。フェルトンは、「最初に髪をブリーチした時、まるで別人になったように感じた」と語っています。この劇的な変身は、ドラコの冷たく威圧的な雰囲気を完璧に引き立てました。
フェルトンは役に入り込むために、撮影現場でも「スリザリンのマントを常に身につける」ことを心がけ、他のキャストと距離を置くこともありました。特にハリー役のダニエル・ラドクリフとの対立関係をリアルに演じるため、カメラが回っていないときも意識的に交流を避けていたそうです。しかし、実際のフェルトンは非常にフレンドリーで、彼とダニエルはシリーズが進むにつれて親友となりました。
ドラコとしての成長:シリーズを通した演技の変化
『ハリー・ポッターと賢者の石』では、ドラコは典型的ないじめっ子として登場しますが、シリーズが進むにつれて彼のキャラクターは深みを増していきます。特に、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』では、マルフォイ家の名誉と家族の期待に押しつぶされそうになる若者としての内面の葛藤が描かれます。フェルトンはこの時期の演技について、「ドラコは決して悪人ではない。ただ、彼もまた戦うべき運命を背負っている」とコメントしています。
彼はドラコの複雑な心情を表現するために、繊細な表情の演技に力を入れました。例えば、マルフォイが「必要の部屋」でハリーと対峙するシーンでは、恐怖と決意が入り混じった表情を見せ、その演技力は批評家からも高い評価を受けました。この役を通じて、フェルトンは「子役から実力派俳優への転身」を果たしたのです。
キャスト間の友情とその後の関係
映画シリーズが終了した後も、トム・フェルトンは共演者たちとの絆を大切にしています。彼はエマ・ワトソン(ハーマイオニー役)とは特に親しい友人関係を築き、ファンの間では「フェルトソン」として知られるほどの人気を誇っています。また、映画の共演者との再会を楽しみにしており、度々SNSでの投稿を通じてファンに向けた感謝のメッセージを発信しています。
さらに、トム・フェルトンはファンイベントやコンベンションに積極的に参加し、ドラコ・マルフォイとしての役割を誇りに思っていることを明かしています。彼は「ドラコはファンにとって特別なキャラクターだから、演じることができて光栄だ」と語っています。
フェルトンのその後のキャリアと「ドラコ・マルフォイ」の影響
シリーズが終了した後も、トム・フェルトンは映画やテレビドラマ、舞台などで幅広く活動しています。彼は「ドラコ・マルフォイとしてのイメージに囚われることなく、様々な役柄に挑戦したい」と述べていますが、ファンの間では永遠のドラコとして愛され続けています。
近年ではNetflixのドラマや独立系映画にも出演し、俳優としてのキャリアをさらに広げています。また、自身の音楽活動も行っており、ファンイベントではギター演奏を披露することもあります。彼は「演じることも音楽も、どちらも自分の表現方法の一つ」と述べており、マルチな才能を持つ俳優としての地位を確立しています。
まとめ
トム・フェルトンがドラコ・マルフォイ役として選ばれたのは、単なる偶然ではなく、彼の持つ自然な演技力と冷淡な態度がキャラクターにぴったりだったからです。彼の無関心なオーディションでの態度が、結果的にドラコというキャラクターを形作る上で大きな要素となりました。彼はこの役を通じて、多くのファンの心を掴み、今でもその影響力を持ち続けています。
原作が気になる方はこちら!